好転反応は治癒反応とも言われ、体が治癒に向かうときに起こる症状のことを言います。
体に不具合がある人や病気の人が、回復に向かう時に表れる現象です。
一般的には回復に向かう手前で、一時的に起こると言われています。
その現象は、症状が強く出たり眠かったり、怠かったり、検査数値も一時期は悪化することがあります。
頭痛や発熱、下痢や頻尿、痛みなど人によっては様々ですが、元々あった症状以外が加わる人も多いです。
なぜ起こるかというと、体が健康体へ戻ろうと変化する時に症状が出るからです。
病気の人は体の機能が弱まっています。
弱まっていても、体は必死にバランスをとりながら、元の健康体へ戻ろうとしているのです。
その表れとして症状が出ているのです。
そんな体を応援するために食事改善をしたり、ストレスを軽減すると、弱まっていた体の機能が高まりはじめます。
すると、健康体へ戻ろうとする力も強くなり、一時的に症状が増すことがあるのです。
これが好転反応と言われている現象です。
元々あった症状だけでなく、それ以外の症状が出るもの体の機能が高まり修復できなかった部分を修復し始めるからなのです。
老廃物を出す力も増しますので、それが湿疹や目ヤニ、尿や便にも変化が表れることがあります。
・眠気や怠さ、頭痛、腹痛、背中痛
・目ヤニ、鼻水、痰、咳
・下痢、頻尿、大量便
・抜け毛
・湿疹や吹き出物
・吐き気
病気の症状が増す以外に、好転反応としてこのような症状が出る人が多いのですが、どのような症状が出るかは人によっても様々です。
また、過緊張(落ち着きがない、イライラ、不安感が強い)の人は、症状が顕著に出ないこともあります。
そして、この好転反応を病状が悪化したと勘違いする人が多いのです。
体を良くするつもりが、症状が増すことで悪化したと感じてしまいがちです。
また、新たな症状が出ると、今行っていることは、自分には合っていない、病気を更に悪化させている、そう感じてやめてしまう人も多いようです。
しかも、病気の根が深い人や長年の積み重ねで難病になった人は、治る過程で何度も小さな好転反応(治癒反応)を繰り返すことがあります。
少し症状が増し、その後に良くなったと思うとまた症状が少し増し、それを何度も繰り返しながら少しずつ回復に向かうからです。
ですので、その間は今の状態をプラスに受け止められるかどうかが、大きなポイントとなってきます。
辛い症状も、前に進むための過程だと捉えることができるからです。
今はそういう時期で、治癒へのプラスな現象だと受け止められるのです。
しかしそう思えないと、その時の状態に合わせて気持ちが浮き沈みしてしまい、不安が増してしまいます。
好転反応は治癒へ向かうための反応で、治癒力が上がることで症状が増す場合があること
その事を頭に入れて、自分の状態を把握しながら、前に進むことが大切です。
また、定期的に病院で検査をし、症状が強すぎる時は薬や治療の力を借りて抑えることも大切です。
症状が強すぎると、体への負担が大きくなるからです。
病気自体は薬や治療で治せなくても、強すぎる症状を抑えて、危険な状態から救ってくれるのは医療です。
薬に依存するのではなく、医療の力を借りながら治癒へと向かう意識が大切です。
症状を薬で完全に抑えてしまっては、治ろうとする体の足を引っ張ることになります。
多くの相談者が回復していく様子をみてきて気づいたことです。
食事改善やデトックス、腸内環境改善、ストレス軽減などを始めると、症状が和らぐまでの期間に違いがみられます。
最初の3ヶ月間で様々な症状が出て、その後に病気の症状が軽減していく人
最初の9ヶ月間くらいは小さな変化が続き、その後に病気の症状が軽減していく人
これは推測なのですが、症状が和らぐまでの期間の違いは、病気の根の深さなのかなと感じます。
また、その人の自律神経の状態によっても、症状の出方や回復のスピードに違いが出ると感じています。
しかし、なかなか症状が軽減されない人も、ある時期を過ぎると山を下りていくかのように回復されていく人が多いです。
病気の山を登りきった頂上は、折り返し地点のようなもので、そこから治癒に向かって下っていくのだと認識しています。
これは、私の娘もそうでした。
最初の15ヶ月間は何をやっても状態は悪化し、検査数値も良くなりませんでした。
しかし、15ヶ月目を過ぎたころから数値が改善していき、状態も少しずつ良くなっていったのです。
その後は、一度も数値は悪化することなく正常化していきました。
その時から9年が経ち、その間も一度も悪化することなく正常な状態をキープし、何の不自由もなく健康に過ごしています。
娘の回復していく様子は、”難病克服ストーリー vol.1~娘の回復までの変化(症状と検査数値)~“をご覧ください。
《今、自分はどこにいるのか?》
長い闘病生活で大切なことは、3ヶ月サイクルで振り返ってみることです。
というのも、体は症状をジグザグ出しながら回復に向かうからです。
体は常にバランスをとりながら変化していくので、同じように症状も波が起こりやすいのです。
そうなると、調子が良い日と悪い日を繰り返すことがあるので、その時々の状態で気持ちが揺れ動いてしまいます。
調子が良い時期は「良くなっている」と思えますが、少し悪くなると「やっぱり良くなってない。。。」って思いがちなのです。
そうなると前に進む気力が奪われてしまいます。
そうならないように、3ヶ月サイクルで症状の変化や検査数値をみていくことが大切です。
その為に、些細なことでも自分の症状について記録しておくことをお勧めします。
記録をつけておくことで、3ヶ月というサイクルで状態を見ることができ、今の状態を冷静に判断することができます。
よく相談者さんは「好転反応だったらいいけど、再発だったらどうしよう。。。」と言われます。
症状が強く出るという点では両方とも同じことで、体で起こっている意味合いも同じなのです。
薬を減薬し、症状を抑える力が減ると、症状が一時的に増します。
抑えていた力が軽くなり、治そうとする力が増し、それが症状として表れるからです。
しかし、この時に症状が大きく増すと、医師からは「再発」と言われます。
要は、薬の服用しているか、していないかに関係なく、症状が増すと医師は「再発」と言い、治癒に向っている時も起こるということです。
・症状=治ろうとしている時に起こる現象=好転反応(治癒反応)
・症状=病気=病状が悪化している時に起こる現象
この捉え方の違いなです。
捉え方の違いが呼び名に表れているのです。
もちろん、好転反応(治癒反応)だと捉えたとしても、その症状が強すぎる時は、それを少し抑えるために薬や治療は必要だと思います。
それは、食生活を中心に治癒力を上げていく行為の手助けをしてもらう意味でです。
しかし、発病に至った原因を全く減らさずに、更に心や体にダメージを与え続けると「憎悪」することだってあります。
ここに書いたことが全く該当しない種類の病気も世の中にはあるでしょう。
ただ、徐々に回復し良くなり始めている段階で起こる症状は、好転反応(治癒反応)の可能性が高いのです。
ですので、その症状が今までより少し強いからと言って「再発」という言葉のイメージに惑わされないことが大切です。
再発だと捉えて増薬し、症状が落ちついてきたら減薬するという流れを、何度も繰り返している人が多いと感じます。
それによって、治ろうとしている体の足を引っ張っている可能性があるのです。
私は症状が強い時ほど体を信じ、辛い時期をうまく乗り越えて完治した人を、たくさんみてきました。
難病の捉え方は人それぞれです。
闘病の仕方も、その人が正しいと思えば、それがその人にとっては正解かもしれません。
しかし「健康な体に戻りたい」と願う気持ちは、みなさん同じだと思います。
そう願う人にとって、今後の参考になればと思います。
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