皮膚筋炎 間質性肺炎 13歳男子 ~もう一度、全力でサッカーを~

「息子を治したい」

「また思いっきりサッカーが出来る体にしてあげたい」

そんな思いで、お母さんが面談に来られたのは、ちょうど2年前、2019年11月でした。

10歳までは凄く元気で、大好きなサッカーに明け暮れる毎日だったそうです。

何となくしんどい、怠い。。。そんなことを言い始めたのは2018年の2月、10歳の頃。

そして、徐々に手足に力が入らなくなっていったとのことです。

それでも大好きなサッカーを止めようとしなかったそうです。

驚くほど疲れて帰ってきたGWのサッカー合宿。

手にはイボ、口の周りには紅斑、その姿を見てすぐに体調の悪さと異変を感じたとのことです。

病院へ行き検査をすると肝臓の数値が悪く、すぐに検査入院。

3週間の入院を経た結果、「大したことはない、大丈夫」との説明を受け退院することになったとのこと。

心の病気または起立性調節障害だろうとの説明だったそうです。

しかし、退院後も体の不調は続き、退院から5か月後の10月には高熱と痛みに苦しむようになったとのことです。

入院していた病院へ連絡するも、先生との感情の行き違いから、その病院には受け入れてもらえませんでした。

「見捨てられた。。。」という思いと、高熱と痛みで苦しんでいる姿をみて「死んでしまうのではないか。。。」との不安でいっぱいになったそうです。

必死で診てもらえる病院を探し、ようやく見つけた病院から大学病院を紹介してもらい、診断がおりた時には2か月が経ち12月になっていました。

その頃には36㎏あった体重は22㎏までに激痩せしていたそうです。

そして分かった病名は、皮膚筋炎と間接性肺炎。

近年、子供に増えているタイプの筋炎で、CKが高くならないにもかかわらず筋力が衰えるのが特徴です。

ステロイドバルス、そしてエンドキサンパルス、2か月以上の入院を経て皮膚筋炎の症状は少しずつ治まっていったそうです。

退院後はブレドニン(ステロイド)やネオーラル(免疫抑制剤)の服用、そして血漿交換やリツキサン投与治療が待っていました。

リツキサン投与については、半年ごとの投与が予定されていました。

医療の力で一命を取り留めたものの、治療の副作用で別人のような姿になっていく息子をみて、このままでは治らないと感じたそうです。

そんな頃に当センターへ問い合わせがありました。

キッカケは、全身性エリテマトーデス(SLE)を克服した人がいることを知ったからだそうです。

「難病でも治る、自分の息子も病気を克服できるかも。。。」そんな思いと期待が高まったそうです。

お話を聞く中で、息子を治したいお母さんの思い、そして病気を治してまたサッカーで活躍したい息子さんの思い、それがお母さんの言葉から強く伝わってきました。

「医療に頼るだけではなく、食事改善、デトックスを行っていきながら、薬を必要としない体へと変えていきましょう」そんな話をさせていただきました。

また、自分の子が難病になるという経験は私も同じ、そんな親の立場から「諦めないことの大切さ」や「気をつけるべきポイント」をお話しさせてただきました。

その頃は、まだ間質性肺炎の状態が悪く、2019年10月にKL-6は基準値の倍を超える1100という高い値でした。

その後、エンドキサンパルスとネオーラルを止めて、ブレドニンとプログラフ、セルセプトを服用することになりました。

それ以降の数値と薬の量は以下の通りです。

2019年10月 KL-6:1100 (基準値は500まで)
薬:プレドニン:10㎎ プログラフ:2㎎ セルセプト:250×4cap×2

2019年11月 KL-6:959
薬:プレドニン:10㎎ プログラフ:2㎎ セルセプト:250×4cap×2

2019年12月 KL-6:1013

2020年1月  KL-6:799 抗MDA5抗体:110
薬:プレドニン:9㎎ プログラフ:2㎎ セルセプト:250×4cap×2
続いていた下痢もなくなり、便の状態がとても良くなっていました。
検査数値が良く、抗MDA5抗体も劇的に下がり診察室で拍手が起こったそうです。

2020年2月  KL-6:694
薬:プレドニン:8㎎ プログラフ:2㎎ セルセプト:250×4cap×2
ブレドニン減薬

2020年3月  KL-6:512 抗MDA5抗体:89
薬:プレドニン:8㎎ プログラフ:2㎎ セルセプト250×4cap
セルセプト減薬

2020年4月  KL-6:465
薬:プレドニン:6㎎ プログラフ:2㎎ セルセプト250×4cap
ブレドニン減薬
KL-6が基準値内に入る、体の調子が良い

2020年5月
セルセプト断薬
半年ごとのリツキサン投与治療は必要なく順調に数値、体力ともに回復。

2020年6月  KL-6:371
薬:プレドニン:5㎎ プログラフ:2㎎
ブレドニン減薬
セルセプトを断薬して初の検査結果は良好。
体の調子も良く、サッカーを連日のように頑張っても大丈夫。
以前は、サッカーをした次の日は学校にも行けない疲労感だったが、今は普通に通えている。
スポーツテストの結果も、種目によっては学年1、2位くらいの記録を出している。
驚くほど体が変わってきていることが見ていて分かる。

2020年7月  KL-6:288
薬:プレドニン:5㎎ プログラフ:1㎎
プログラフ減薬

2020年8月  KL-6:287
薬:プレドニン:4㎎ プログラフ:1㎎
ブレドニン減薬
水泳に通い始めて3回ほど、あっという間に1kmを泳ぐようになった。

2020年8月
プログラフ断薬
この夏はサッカーも、海水浴も花火も、普通に楽しむことができた。

2020年9月  KL-6:261
薬:プレドニン:3㎎
ブレドニン減薬
肺機能検査:もうすっかり回復しているとの結果。

2020年11月 KL-6:224
薬:プレドニン:2㎎と3㎎の隔日

2021年1月 KL-6:299
薬:プレドニン:1㎎と2㎎の隔日

2021年1月31日
ブレドニン断薬、これで全ての薬を断薬

2021年3月  KL-6:315
サッカーはキャプテンになり、毎日しっかりと勉強も行っているとのこと。

2021年5月  KL-6:319

2021年7月  KL-6:268

2021年8月
サッカー夏の合宿は、4日間の連続試合にフル出場した。

2021年10月 KL-6:234

2021年11月25日
当センターにて難病卒業式

KL-6の数値と断薬時期をグラフにすると下記の通り、薬を必要としない体へと変わっているのが分かると思います。

薬や治療に頼るだけでは、ここまでの回復はなかったでしょう。

病に負けそうな時には治療に頼りながらも、同時に薬や治療に頼らない体へと変えていったことが、今の息子さんの姿に繋がったのだと感じます。

確実に食べ物やデトックスで体を変えていきながら、無理なく薬を減らしていき、2年をかけて難病克服というゴールを迎えたのです。

全ての治療や薬を断薬をして10か月が経つので、2021年11月25日、難病克服支援センターにて難病卒業式を行いました。

「また思いっきりサッカーが出来る体にしてあげたい」

そんなお母さんの思いが叶ったのです。

 

痛みで苦しみ、痩せていく息子。
先が見えなかったその時期は、本当に辛かったと思います。

「死んでしまうのではないか。。。」と思った時は、今の状態を想像ですることが全くできなかったと思います。

しかし、その経験があったからこそ気づけたことは、息子さんの体だけではなく、ご家族の体をも守っていくでしょう。

そして、息子さんにとっては、これから先を生きていく上での大きな力になっていくと思います。

この経験を力に変えて、これからも大好きなことで活躍して欲しいです。