こんな時だからこそ① ~自宅で手作り豆腐~

昭和の町の豆腐やさん

世の中、コロナ感染拡大による自粛が強まってきています。
老いも若きも、できるだけ外出を避け、感染を避けて自宅で過ごすことが推奨されています。
こういう時期だからこそ、プラス思考で、自宅で出来ることを見つけて楽しみたいですね。

そこで、普段は時間がなくて作らないもの、買ってしまうものを作ってみませんか?
これまでの日常だと、「そんなもの作れるの?」とか「買うのが当たり前でしょ」って思ってるもの…
どうせなら、免疫力があがる、健康的で、安心できるものを手作りしたいものです。

そこで、大豆から「豆腐」を作ろうかなと思ったのです。
昭和の中頃までは、豆腐屋さんが大豆から作る豆腐が食べれてました。
日持ちこそしませんが、新鮮で安心できるものが食べれてました。

町の豆腐屋さんって、1960年、昭和35年頃には全国に5万軒以上あったそうです。
スーパーマーケットが増えだした1970年頃には4万軒にまで減ってしまいました。
その頃から、大手豆腐メーカーが工場で安価に大量の豆腐を作りだし、2010年には町の豆腐屋さんは1万軒をきったそうです。
母と市場に行った時に「今日中に食べてね~」と売られていた豆腐が、懐かしく思い出されます。

スーパーマーケットで買える豆腐は、種類も多く、安価なものも多くあります。
びっくりするほど日持ちがするものもあって、とても便利になってきてます。
ただ、「豆腐は良質なタンパク質源」と言えない商品も多く出回っています。

職人技とも言える豆乳をにがりで固める工程も、扱いやすい人工的な凝固剤が使われていたりします。
少ない大豆で作られた薄い豆乳でも、豆腐の形に固まる人工的な凝固剤も出回っています。
そういう仕組みで1丁150gの豆腐がたった30円で販売できてしまうのです。

どのくらいの量の大豆が必要なのか
どうやって豆乳が固まるのか
どれだけの手間暇がかかっているのか

実際に豆腐を手作りして実感してみましょう。

 

~豆腐ってどうやって作るの?~

乾燥大豆を水でもどしてすり潰し、それを漉してできた液体が豆乳です。
その豆乳を温め、凝固剤(にがり)を入れてかき混ぜ、それを型に入れて固めたものが豆腐です。

固める時に、水切りする穴がない型に入れておき固めたのが絹ごし豆腐。
水切り穴の開いた型に木綿の布を敷き、圧力をかけて水出ししたものが木綿豆腐。

ざっと流れだけをみると、意外に簡単そうなのですが、ポイントは豆乳の濃さと温度、にがりの量

・にがりは原液タイプで、量は豆乳の1%
・にがりを入れる豆乳の温度は75~80℃

今回は、温度管理が不要な「冷却豆乳製法」で、絹ごし豆腐を作ってみたいと思います。
大豆から作る方法を紹介してますが、時間のない時は大豆固形分が10%以上の市販の豆乳でも作れます。
大豆固形分が11%とか12%で販売している豆乳なら、ちゃんと形が保ちつつ、舌触りが滑らかな豆腐ができます。

~大豆から作る絹ごし豆腐の作り方~

《 材料 》
乾燥大豆  300g
原液タイプのにがり 10cc前後
浄水  1500cc

《 用意するもの 》
フードプロセッサーかミキサー
大きめの寸胴鍋
木べら
ボールとざる
計量カップと計量スプーン
さらし(日本手ぬぐいやふきん等)
豆腐に固める容器(耐熱カップ等)

《 作り方 》

1. 大豆を浄水で3~4回水を変えて洗う

2. 浄水1500ccのうち半分の750mをボールに入れ、1の大豆をつける
(夏は8時間、冬は20時間って言われるけど、爪がスーっと入って、大豆が真ん中から簡単に割れたらOK)

3. フードプロセッサーかミキサーに、大豆と戻した時の水を入れて、クリーム状になるまで撹拌する
(分量が多いようなら、2~3回に分ける。水不足で撹拌できないようなら、残りの浄水を足す)

4. クリーム状になった3を鍋に移す
(熱を加えると泡立つので深めの鍋がよい)

5. 鍋を強火にかけ、焦げないように木べらで鍋底から混ぜる

6. 沸騰してきたら弱火にして10分ほど、鍋底から混ぜ続ける

7. ボールにざるを重ね、水にぬらして固く絞ったさらしをざるの上にセットする

8. 6の鍋が温かいうちに7のさらしで漉し、しっかり水けをきる
(絞る時は熱いので、厚めのゴム手袋をはめると良い)

9. ボールに豆乳、さらしの中におからができる。豆乳は冷ましておく

10. 冷たくした豆乳を計量カップで測り、その1%のにがりを入れて混ぜ合わせ、容器に移してラップをかける
( にがりの量は豆乳が1000ccなら10cc )

11. 水を入れて温めておいた蒸し鍋に、10の容器を入れて、15分程蒸して火を止め、10分程そのまま置いておく

12. 固まった11を冷蔵庫で冷やす

 

~豆腐を購入するときのポイント~

豆腐は大豆とにがりだけで作られています。
にがり自体は”添加物”と言われるものです。
ですが、おなじ添加物といわれるにがりでも、天然のものと人工的なものがあります。

天然のにがりは、天然にがりや粗製海水塩化マグネシウム(塩化マグネシウム含有物)って書かれてます。
人工的なにがりは、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンなどの記載が多いです。
人工的なにがりは凝固能力が高く、少ない豆でも固まるので原価が抑えられるのです。
味にコクがなく栄養価も低いので、まるで豆腐もどきとも感じられます。

また、実際に作ってみて驚くと思いますが、大豆を煮る過程で大量の泡ができます。
この泡が残ったままだと酸化しやすく日持ちのしない上に、味や見た目の悪い豆腐になってしまいます。
なので、“消泡剤”という添加物を使うメーカーも多いのも現状です。

豆腐を購入する際には下記をポイントに、できるだけシンプルな原材料で作られたものを選びたいですネ

・大豆は遺伝子組み換えでない、国産や有機のもの(できれば国産100%の表示)

・にがりは”天然にがり”や”粗製海水塩化マグネシウム”を使ったもの

・消泡材不使用の表示があるもの

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