我々が思う難病克服に必要なこと

~発病するまでの共通点~

難病相談、最初のカウンセリング時に大切にしていることは、病気の原因を探ることです。
食生活だけではなく、ストレスや必要以上の頑張り、それらも発病の原因になっていることがあるからです。
ご自身では気づかなかった、発病のひきがねになったと思われる状況が見えてくることが多いです。

全ての病気に当てはまるわけではありませんが、発病するまでの流れには共通点があります。

仕事の責任感から、休日も仕事が頭から離れず、気が休まらなかった
希望する学校への入学や小さい頃からの夢、スポーツなど自分に課せて追い込み過ぎた
言いたいこと言えずに人に合わせ過ぎたり、我慢することが癖のようになっていた

自己免疫疾患や神経系の難病になる方は「真面目で頑張り屋さん」だったり、「忍耐力や責任感が強い方」だったりします。
そういった心や体の無理が継続したことによって、自律神経が交感神経側に傾き続けているという共通点を感じます。
交感神経優位な状態が継続し、副交感神経側に切り替わらないと、体内炎症や不具合、毒素を溜め込んでしまうのです。

頑張る、責任感、我慢、忍耐力、ストレス、睡眠不足、それらの要因で発病したにも拘わらず、更に難病だという不安や恐怖が追加されるのです。
闘病中の症状や体の変化、医師からの言葉、検査や治療といったものが、不安や恐怖につながっていくのです。
そのうえ難病になったことで更にストレスが増し、発病の原因である交感神経優位な状態から抜け出せなくなるのです。

自律神経は、頑張る活動モード(交感神経優位)と、リラックスした修復モード(副交感神経優位)のバランスが大切です。

この両方が必要で、どちらか一方に傾き続けることが、身体を不調にする要因になるのです。
相談に来られる方が総体的に交感神経優位なのも、体内炎症や不具合、毒素を溜め込んで発病していることが想像できます。

 

~何が足りていないのか~

自律神経は1日の中で、交感神経と副交感神経がうまく切り替わって身体のバランスをとっています。
人間は自然と共存しながら、自然のリズムに合わせて、体のリズムを整えてきたのです。
日中は活動的な交感神経優位であっても、日が暮れると副交感神経に切り替わるのです。

そのように自律神経は夕方に副交感神経へと切り替わり、夜や寝ている間に体は修復されるようになっています。
しかし、夕方以降のリラックス時間にイライラしたり、何かに集中し頑張ったり、ストレスを感じながら何度も目が覚めたり・・・
その時間帯に精神が頑張っていたりストレスを感じ続けていると、自律神経が切り替わらないのです。

そういう方は体内炎症や不具合が修復されずに、溜め込んでしまいます。
治す上で必要なことは、リラックス、安心、穏やかな精神状態になることで副交感神経、いわゆる修復モードへと移行し治癒力が働く状態にすることです。
しかし、難病になると、その辛さをなかなか人には相談できず、自分ひとりで抱え込んだり、迷ったり悩んだりすることも多いのです。

私自身も娘との闘病時に同じような状態になったので、ご自身が難病の方が辛い思いの中で日々を過ごされていることが想像できます。
自分の行っていることが正しいのかどうかも分からず、見えない先は不安でいっぱいでした。
だからこそ、交感神経優位になりがちな状況をかえる存在が必要だと思ったのです。

諦めずに前に進み続けていくための心の支えになること
食事改善を含め、治すために必要なことを実践していく上での道しるべになること
難病でも治るという事実を多く知り、それによって強い希望を持てること
闘病中の辛さを共有し、心のデトックスができること

難病を克服するためには、これらの存在が必要不可欠で、今の世の中に足りていないと感じました。
これらは自律神経を副交感神経側へと傾けることに繋がり、それによって体を少しずつ正常化させるためです。

 

 

~伝えたい大切な3つのこと~

・良質な食べ物を摂りこむこと
難病は食事改善だけで治るものではありません
もちろん「身体は食べ物からできている」ため、日々の積み重ねで体は変わります。
しかし、交感神経優位のままだと、血流が悪く十分に栄養や酸素が細胞に行きわたらないのです。

食べた栄養が体に活かされるためには、身体を修復モード(副交感神経)へと切り替えることが大切です。
自然に近い良質なものを食べることは、安心感や穏やかな精神状態につながります。
それと同時に身体を修復モードにすることで食べたものが活かされるのです。

・医師からの「治らない」という言葉を払拭すること
体は脳の認識に従いますので、脳が治らないと認識してしまうと体は回復しづらいのです。
難病を克服した人は世の中にたくさんいます。
体を変えるためには回復した人を知ること、そういう人がたくさんいることを実感することが大切なのです。
そのことが脳の認識を変えるだけでなく、不安や恐怖といった精神状態を希望に変え、体を回復モードへと切り替わりやすくしてくれます。

・一人で抱え込まない
抱え込めば抱えるほど気が重くなり、行動することができなくなります。
迷えば迷うほど、どの選択が正しいか分からなくなり、前に進めなくなるのです。
そして、闘病中はマイナス思考になりがちです。

相談することで違う視点から考えられたり、思い込みから解放されて、迷いや悩みが解消することがあります。
共感してもらえたり、自分の気持ちを理解してもらうことで、心がリラックスしたり孤独感が減っていきます。
相談できる相手、寄り添ってくれる存在が自律神経を整えてくれるのです。

難病克服支援センターは、回復のために必要なことを整えていく存在でありたいと思います。

 

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