多発性硬化症 香川県男性
大学一回生の5月に高熱、頭痛、嘔吐、尿管閉塞、足のふらつき、手の震えなどで受診。
病名は分からず、ステロイドパルス治療を受ける。
その後、症状は緩和されるも8月に再燃し、再度ステロイドパルス治療を受ける。
退院後にブレドニン(ステロイド)を45㎎服用し徐々に減薬。
10月にようやく多発性硬化症と診断されたそうです。
MRI検査では脳と脊髄に病巣がありました。
脳には脳幹の辺りに二、三箇所、白い影がありました。
脊髄にも腰のあたりに一箇所、大きな白い影がありました。
医師の言葉は「治らない」でした。
それまでは病名すら分からず、そんなに重い病気だとは思わなかったとのこと。
病名が分かってから、病気について自分で調べるも、調べれば調べるほど不安と恐怖が襲ってきたそうです。
そして「病気が怖い、将来が怖い」と母親に告げたそうです。
弱音を吐くことがなかった息子が「怖い」と言ったその言葉で、精神状態が普通ではないことをお母さんは察しました。
「何とかしなければ」とお母さんは必死になったそうです。
そこで知ったのが、同じ病気が治っているという事実と、難病克服支援センターの存在だったそうです。
藁をもすがる気持ちで2017年11月(発病して半年後)に当センターに面談に来られました。
面談時に、同じ病気が治った人の事例を資料でみてもらいました。
なぜ、発病したのか、体の仕組みや治癒力、薬の役割、今後の食事についてなどの話をさせていただきました。
その時に服用していたのはブレドニン14㎎でした。
この先どうなるか、本当に良くなるのか、見えない未来への不安な気持ちで一杯だったそうです。
しかし、面談後には「治る」「治そう」という希望に変わっていたと、今日の卒業式で当時の気持ちを聞きました。
そこから、大学へ通いながらの一人暮らしでの闘病生活が始まりました。
その後の減薬と体の症状は下記の通りです。
2017.12.07 ブレドニン12mg
2017.12.29 顔に湿疹
2018.01.18 ブレドニン11mg
大学を卒業するまでは10mg以下にすることはないと医師から言われ自主減薬を開始する
脇腹がピリピリ痛みだす
2018.02.15 ブレドニン9mg
2018.03.15 ブレドニン8mg
2018.04.03 ブレドニン7mg
2018.04.12 ブレドニン7㎎と6mgの隔日
2018.04.19 ブレドニン6mg
6mgにしてから1週間は左腕に痛みがあったものの、徐々に痛みも引いて、今では全く痛みがなくなる
これまでは痛みが落ち着いても、時々痛みがあったが、今回は落ち着いてからずっと痛みがない
2018.05.16 ブレドニン6と5mgの隔日
病院に食事療法や自主減薬のことを伝える
2018.05.23 ブレドニン5mg
2018.06.13 ブレドニン4.5mg
2018.06.20 ブレドニン4mg
フラツキはなくなった。脇腹に痛みあり
2018.08.08 ブレドニン4mgと3.5㎎の隔日
体の痛みや目まいのような症状は無くなり、しかし背中を丸めたりすると背中に痺れのようなものが出てきた
以前にもこの痺れがあり、減薬と同時になくなっていたのですが、また症状が出てきて痛みなどはない
2018.08.30 ブレドニン3.5mg
体の痛がなくなる。
2018.09.13 ブレドニン3.5mgと3mgの隔日
2018.10.10 ブレドニン3mgと2.5mgの隔日
体の痛みなどは全くなく、まだ排便や排尿はスムーズではない
2018.10.24 ブレドニン2.5mg
2018.11.09 ブレドニン2.5と2mgの隔日
2018.11.24 ブレドニン2mg
2018.12.07 ブレドニン2㎎と1.5mgの隔日
2018.12.21 ブレドニン1.5㎎と1㎎の隔日
2019.01.13
視野欠損が始まり、目にちょっとした痛みと、見えづらさが出始めた
目ヤニが常に入っているような感じがする
2019.01.23
視力が回復してきた、かなり見えるようになってきた
2019.02.15 ブレドニン1.5㎎
目の状態は、一度回復し、それ以降はあまり変化が無い
症状が出ているのは右目だけで、左目に比べると視界が少し暗い感じがする
2019.03.07 ブレドニン1.5㎎
目の状態は普通に過ごしている分には問題ない
交互に片目だけで見てみると右目が左目に比べて若干暗い
2019.04.18 ブレドニン1.5㎎と1㎎の隔日
目が普通に見えるようになる
2019.05.02 ブレドニン1㎎
2019.05.07 ブレドニン1㎎と0.5㎎の隔日
体にも目にも全く異常はない。
2019.05.29 ブレドニン0.5㎎
2019.06.07 ブレドニン0.5㎎と0㎎の隔日
2019.07.02 ブレドニン断薬
体に異常なし、目も問題なし
2019.08.06 MRI検査
脳の病巣、脊髄の病巣、全てが綺麗に消えていた
減薬、断薬を行い、症状はなくなったものの、病巣は消えているのか?
自分はもう完全に治ったのか?
それが知りたかったそうです。
7月2日に断薬し、すぐにMRI検査予約を入れ、8月6日がその結果の日でした。
発病当時のMRI画像と、今回の画像を医師と一緒に見比べたそうです。
発病当時にあった脳や脊髄の白く写る病巣は、今回の画像には完全に消えてなくなっていました。
その画像をみて、治っていることを確信したそうです。
そして、医師から出た言葉は「消えてますね、治ってますね」という言葉でした。
その結果をすぐに当センターに連絡いただき、私も一緒に喜ぶことができました。
「家族と一緒にお礼に行きたい」と連絡が入り、8月9日に当センターにて難病卒業式を行うことになりました。
大学に入り、すぐに発病、みんなと同じような学生生活ではなかったですが、闘病を通じて生きていく上で大切なことを学ばれたと思います。
この経験を生きる力に変えて、自分らしく進んで欲しいです。
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